福島県郡山市の将棋情報

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将棋の上達方法8

将棋の実力に最も大きな影響を及ぼす要素は何だと思いますか?

 

AIによる最新形の知識、ではありません。AIをあなたが独占しているわけでもなく、ほぼ公知ともいえるその知識で何局勝ち続けられますか?

将棋のようなゲームの知識は特許で保護されないので、知識の有無で勝つ戦略は情報の拡散が速い近頃ではごく短期間しか使えません。

答えは単位時間内に読める手数と正確性、形勢判断能力です。今も昔も変わりません。今回のコラムでは「単位時間内に読める手数と正確性」の威力について説明します。

 

もっともわかりやすいのが最終盤です。必ず交互に指すという将棋の性質から1手差の局面は本来大差で、2手差だと問題外です。

但し、1手差でもピンからキリまであって、相手玉が簡単に詰む場合と非常に難解に詰む場面では大違いです。AIだと同じなんでしょうが。

ここであるケースを想定します。あなたが劣勢で自分の1手負けを読み切っています。自玉の詰み筋はそこそこ難しく、その上で相手の力量はあなたより劣っているという状況です。

あなたは1手負けの状況で受けに回るか、それとも、相手が詰ませないと想定して逆に相手玉に詰めろをかける、の2つの選択肢があります。

この時、あなたが相手よりもかなり読めている場合、今か次かそのまた次か、の何れの局面が相手が最も間違いやすいか精度よく見積もることも可能です。そこが逆に詰めろをかけるチャンスなわけです。

対人ではこのスキルの有無で勝率が劇的に変わります。形勢が悪くなっても局面を複雑化して容易に土俵を割らないスキルと組み合わせると凶悪な威力を発揮します。

私は高校1年生の時、感想戦で自分と相手の読み量にギャップがあることに気づいてから心理テクニックを理解できるようになりました。

 

なお、心理テクニックだけ知っていても「単位時間内に読める手数と正確性」が無いと使いようがありません。何事も基礎が大切です。