福島県郡山市の将棋情報

福島県郡山市、及び、福島県の将棋情報を発信します

はじめに

 

rara.jp

連絡用にお使い下さい。

 

 

2002年に開設された「福島県棋界の広場2」が諸事情により閉鎖となったため、新たにブログを立ち上げて福島県の将棋情報の発信をすることにしました。

 

このブログの管理者は郡山支部の竹内ですが、前HPの管理者である村越さんも引き続き情報提供という形で関わって頂きます。

 

なお、福島県福島民報社の大会(福島県将棋連盟)、及び、福島民友新聞社の大会(日本将棋連盟福島県支部連合会)があります。各種全国大会は全て県支部連合会の運営です。

 

支部連合会が運営する大会については連合会のブログがあるので、そちらで確認下さい。また、ふくしま支部も独自に大会を開催していますので、リンクにて確認下さい。

 

このブログでは以下の情報について発信します。

 ・福島民報社主催の県大会情報

 ・各種大会の郡山地区予選の情報

 ・日本将棋連盟郡山支部の情報

 ・(掲示板にて他地区の予選などの情報の共有)

 

以上、よろしくお願いします。

将棋の上達方法9

将棋は難しいゲームなのにカンニング禁止なので、「ある程度まで」の段階までは受験勉強的な知識詰込みが必要になること、及び、「ある程度以降」は効果的な上達方法が本にはそうそう書かれていなくて試行錯誤になる、ということはこれまでのコラムで書いてきました。

 

となると「ある程度以降」で何をすれば良いかわからない、という人もいるでしょう。今回はこうすれば強くなるということを私の実体験から紹介します。

 

大前提として将棋がものすごく好きなことです。後の話を読めばわかりますが、そうでない人がやったらおそらく将棋自体をやめてしまうでしょう。

 

次に「とにかく強くなりたい」と心から想うことです。承認欲求のために将棋をしている人は以下の手法は絶対にできません。

 

では、どうするかというと以下のルールを自分に課すことです。

1.どんなに大差の局面でも常に相手玉の詰みの有無は全力で考える

2.相手玉の詰みを確信できたなら絶対に詰ましに行く。さすがに読み切れない時は無理をする必要はない。

 

まだ読み能力が未熟な段階だと読み抜けがあって大逆転負けとなることがしばしばあります。そして周囲の人から「なんで必死をかければ楽勝なのに、そんな馬鹿なことをする?」と言われるでしょう。私も成長過程で何度も読み抜けで涙を流すことがありました。

 

このルールを徹底しながら成長して読み抜けが無くなってくると、競り合いの終盤の勝率がものすごい勢いで上がります。それは、終盤の読み能力の強化だけではなく、自分の読みを信じて踏み込む勇気、が備わるからです。カンニングができない将棋という競技において「自分の読みを信じること」ってものすごく難しいことなんです。

 

私は中1から続けています。誰に言われたわけではないですが、どうしても詰まさないといけない競り合いの時だけ本気を出して読み切って詰ます、なんて都合の良いことができるわけないだろう、と思ったからです。今でもそう思っています。

 

将棋は泣いた数だけ強くなる、と思っていますが、まあそこまでして強くなる意味があるのか、とも思います。私も大人になったのでしょう…

将棋の上達方法8

将棋の実力に最も大きな影響を及ぼす要素は何だと思いますか?

 

AIによる最新形の知識、ではありません。AIをあなたが独占しているわけでもなく、ほぼ公知ともいえるその知識で何局勝ち続けられますか?

将棋のようなゲームの知識は特許で保護されないので、知識の有無で勝つ戦略は情報の拡散が速い近頃ではごく短期間しか使えません。

答えは単位時間内に読める手数と正確性、形勢判断能力です。今も昔も変わりません。今回のコラムでは「単位時間内に読める手数と正確性」の威力について説明します。

 

もっともわかりやすいのが最終盤です。必ず交互に指すという将棋の性質から1手差の局面は本来大差で、2手差だと問題外です。

但し、1手差でもピンからキリまであって、相手玉が簡単に詰む場合と非常に難解に詰む場面では大違いです。AIだと同じなんでしょうが。

ここであるケースを想定します。あなたが劣勢で自分の1手負けを読み切っています。自玉の詰み筋はそこそこ難しく、その上で相手の力量はあなたより劣っているという状況です。

あなたは1手負けの状況で受けに回るか、それとも、相手が詰ませないと想定して逆に相手玉に詰めろをかける、の2つの選択肢があります。

この時、あなたが相手よりもかなり読めている場合、今か次かそのまた次か、の何れの局面が相手が最も間違いやすいか精度よく見積もることも可能です。そこが逆に詰めろをかけるチャンスなわけです。

対人ではこのスキルの有無で勝率が劇的に変わります。形勢が悪くなっても局面を複雑化して容易に土俵を割らないスキルと組み合わせると凶悪な威力を発揮します。

私は高校1年生の時、感想戦で自分と相手の読み量にギャップがあることに気づいてから心理テクニックを理解できるようになりました。

 

なお、心理テクニックだけ知っていても「単位時間内に読める手数と正確性」が無いと使いようがありません。何事も基礎が大切です。

 

第72回県王将戦の結果

大平駿悟さんの初優勝で、併せて東北六県大会の福島県代表となりました。

その他の上位入賞選手は5月下旬頃に例年開催される東北六県大会出場選手決定戦に回ります。

第72回県王将戦結果.pdf - Google ドライブ

 

本大会は小学生の菅野君、遠藤君が出場し、菅野君が予選リーグを勝ち上がるという快挙がありました。何度も大会に参加すれば更に上位に進出することもあるでしょう。今後が楽しみです。

 

ところで、本大会の出場者16名の平均年齢は50歳で、年齢分布と累積頻度は以下のグラフの通りです。

一方、昨年の大会の出場者平均年齢は43歳で、年齢分布と累積頻度は以下のグラフの通りです。

ベテラン勢が地区予選で強さを発揮したという表現もできるでしょうが、かなり厳しい状況です。(20~30代の県外流出、など様々な要因があると思います)

将棋の上達方法7

今回はこれまでの内容と少し違う話をします。

私が将棋を覚えたのが約40年前です。その頃はインターネットは無く、当然Youtubeも無く、本から情報を得るしかありませんでした。更に将棋AIもないので、本の内容も今とはかなり異なっていました。絶対的な指標がないので著者の個性が強く出ていた、とも言えます。

昔はよほど変な指導者にでも当たらない限り知識を覚える順番が決まっていたのですが、今は様々な手段で情報を入手できるので習得する順番も様々なようです。

将棋を楽しむだけなら自分のペースで好きにやるのが良いです。楽しんでやるのが最も大切で、つまらないとやめちゃうからです。他に楽しいことはいくらでもあるので。

一方でプロを目指すとかガチで強さを求めるとかなら知識の習得順番は極めて重要です。いきなりですが答えは「普遍性のある知識を優先的に覚える。陳腐化する知識の習得は後回しにする。」です。言われてみればそりゃそうだ、ですよね。

<普遍性のある知識> 詰みパターンや手筋。比較的最近の概念としてはZ形とか。駒の働きなど形勢判断の指針。基本的な序盤定跡は居飛車振り飛車の両方を幅広く習得するのが好ましい(覚えないと将棋にならないレベルのもので十分です)。前のコラムで書きましたが、覚えないといけない知識量は序盤、中盤、終盤併せて膨大です。

<陳腐化する知識> 最新形の定跡系の詳細変化など。今だと角換りの千日手含みの待機とか。定跡の進化は速いので数年後には価値は無くなっている。

このコラムを読んでいる人で、ガチ勢の方は己を振り返ってみてどうですか。ガチで将棋をやるなら、基本的な知識の習得も十分できていなくて将棋の中身がスカスカな段階で「最新形に相手をはめて楽して勝つ」は上達スピードが遅くなるだけなので全くお勧めしません。